職ありオタク

がんば

『死刑台のエレベーター』感想

 名作らしいので観てみよか~! のパターン

  伏線すんげえ~この映画の構成パねえ~ってなる。なった。でもそれ以上に感じることがなくて、俺の追い求めていたすげえ映画とはなんだったんだ……みたいな気持ちが残った。眠いからかもしれない。『ソラリス』観てるときみたいな「あこれお話しすんげ~すんげ~でもそれ以上なんも言えねえ~」みたいな感じと似ている。

 でも素直に感心したのは、出て来ては裏切られる伏線の数々。現場に残した物的証拠を隠蔽しようとしたらエレベーターに閉じ込められちゃうんだけど、結果風に飛ばされて子供が持って行っちゃう、みたいなことが次々と起こる。「あこれ最後に効いてくるシーンだな」って思ったものが20分後には裏切られて「え? じゃあこの話どういうオチつくんだよ!?」とドキドキする。これでモノクロの映画? やってられねえ。天才の仕業じゃねえか。天才って「こういう作品はこうしたら一番面白くなるんだよ」みたいな点をすぐ抑えて実行しちゃうのでやってられん。そのあとの細々としたところは後世のが発達しているが、普遍的なところはやっぱりこの天才が全て持って行ってしまっている。

 しかもこの監督ルイ・マルが最終的に『42丁目のワーニャ』という、廃墟でお芝居の稽古をするだけの映画を撮るって言うのが、また味わい深い。

 眠いのでこの辺で。この映画もまた、映画の師匠にあたるひとに話を聞いて、勉強にしたい。